慢性腰痛に対する鍼灸治療~タイプ別治療法のご紹介~

著者鵜山泰平

最終更新日:2025-11-17

投稿日:2025-11-17

  • 鍼灸

この記事の目次

こんにちは。大阪府吹田市で鍼灸師をしている、うやま鍼灸治療院の院長の鵜山です。

今回は、日本人の8割が経験するといわれる慢性腰痛における鍼灸治療ついて解説していきます。

慢性腰痛と一口に言っても、実は痛みの種類原因の深さによって、鍼灸でのアプローチ方法は大きく異なります。
「ずっと重だるい」「ピリッとした痛みが走る」「朝が特につらい」「病院では異常なしと言われたけど痛い」——同じ“腰痛”でも、感じ方や発生メカニズムは人それぞれです。
鍼灸治療では、症状ごとに体の状態を見極め、最適なツボや治療方法を選ぶことで、根本から改善を目指します。

では、慢性腰痛を痛みのタイプ別に分けて、鍼灸治療でどのような効果が期待できるのかをご紹介しましょう。
鍼灸治療全般については、鍼灸とはのページで解説しています。
よろしければ、そちらも合わせてご覧ください。

① 鈍い痛み・重だるさタイプ(筋肉疲労・血行不良型)

症状の特徴

  • 「腰が重い」「張っている」「ずっとだるい」
  • 長時間同じ姿勢や疲労で悪化
  • マッサージしてもすぐ戻る

主な原因

筋肉が硬くなり、血流が悪化して疲労物質が溜まっている状態。
冷えや運動不足、長時間のデスクワークが関係します。
特に、長時間同じ体勢や姿勢不良があると、そのリスクは跳ね上がります。
腰を起点とする、腸腰筋という人体最大のインナーマッスル(体を支える筋肉)が、姿勢不良によって萎縮や弱化するために起こりやすくなります。

鍼灸治療のポイント

  • :凝り固まった筋肉(硬結部位)に直接刺激を与えて血流を促進。
  • :冷えを取り、体を内側から温めて代謝を整え、血行促進する。
  • ツボ例:腎兪・大腸兪・委中・夾脊、長野式鍼灸治療では帯脈を用いることもある。

効果

・筋肉の緊張がやわらぎ、腰の重さが軽くなる(好転反応により一時的にダルさがでることもある)
・血流が改善して疲労感や冷えの改善にもつながる

② ピリッとする・しびれるタイプ(神経圧迫・坐骨神経痛型)

症状の特徴

  • 腰から足にかけて「ピリピリ」「ビリッ」と電気が走る
  • 座る・立つ動作で痛みが悪化
  • 足のしびれ・冷えを伴うことも

主な原因

腰椎や筋肉による神経の圧迫(坐骨神経痛など)が考えられます。
坐骨神経痛は、主に腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症で起こる場合が多いです。
足のしびれや大腿後面の痛みに関して、梨状筋症候群も挙げられることがあります。
これに関しては、梨状筋の緊張もしくは萎縮があります。
また、これらは長期化すると神経が過敏になり痛みが慢性化しやしです。

鍼灸治療のポイント

  • :坐骨神経やその周囲の筋肉を緩め、神経への圧迫を軽減。
  • :血行を改善し、神経の回復を促す。
  • ツボ例:大腸兪・夾脊・殷門・承扶・屈伸

効果

・神経の通りがよくなり、しびれや鋭い痛みが緩和
・腰から足の動きがスムーズに

③ 朝起きたときや寒い日に痛むタイプ(冷え・循環障害型)

症状の特徴

  • 朝方や寒い日に痛みが強い
  • 温めると楽になる
  • 雨や湿気の日に悪化する

主な原因

体の冷えによって血行が悪くなり、筋肉や関節が硬くなることが原因です。
特に冷え性の方や高齢の方に多いタイプです。
なぜ冷えるのかを考えたときに、内臓機能の低下や運動不足も合わせて原因と言っても良いでしょう。
(冷え性に関しては、また別の機会にお話します。)

鍼灸治療のポイント

  • を中心に、体の深部から温めて血流を改善。
  • で筋肉のこわばりを和らげる。
  • ツボ例:命門・腎兪・志室・照海・兪府

効果

・体の芯から温まり、冷えによる痛みが軽減
・腰痛だけでなく、全身の血行・代謝も改善

④ ストレスや緊張による腰痛(心身バランス型)

症状の特徴

  • 原因がはっきりせず、痛みが続く
  • ストレスや疲れで悪化する
  • 睡眠の質が悪く、体全体が重い

主な原因

精神的ストレスや自律神経の乱れによって筋肉が緊張し、血行が滞ることが原因です。
特に、交感神経が多く分布するといわれる胸腰椎部の筋肉の緊張が考えられます。
この場合、必ずしも腰痛として現れるのではなく、他の部位の症状があれば、そちらも対応していきます。

鍼灸治療のポイント

  • 全身調整を行い、自律神経のバランスを整える(東洋医学敵な手法と合わせる)。
  • リラックス効果のあるツボを使い、心身の緊張をやわらげる。
  • ツボ例:内関・神庭・百会・下関・DFPLC(背外側前頭前野部)

効果

・筋肉の緊張がほぐれ、心も体も軽くなる
・慢性的な痛みや不眠・頭痛などにも好影響

🔹 鍼灸は「原因に合わせて治す」治療法

慢性腰痛は、単に「腰の筋肉」だけが原因ではありません。
血流・神経・内臓の働き・ストレスなど、複数の要因が重なっていることが多いのです。

鍼灸はそれぞれの体質や症状に合わせて施術することで、
痛みの根本原因を改善し、再発しにくい体作りを目指せます。

まとめ

慢性腰痛は日常のあらゆることが原因になり得る症状です。
筋肉でいうと姿勢不良、長時間の座位、同じ作業の繰り返し、運動不足など、これだけでも多岐にわたります。
腰の症状ではありますが、腰以外の部分にも原因が多く潜んでいますので、単に腰を揉み解せばいいというわけではありません。
適切な動作チェック、検査、生活背景の聞き取りを行った上で、治療と再発防止の策を練っていきます。
その中でも、鍼灸治療は筋肉・血流・神経・自律神経を総合的に整えることで、痛みを軽減し、回復力を引き出す効果が期待できます。

吹田市のうやま鍼灸治療院では、その方に最適な鍼灸施術によって身体の外側と内側の両方から痛みの原因を整え、再発しにくい身体づくりをサポートしています。

「何をしても腰痛が良くならない」
「薬を減らしたい」「根本から整えたい」という方は、
ぜひ一度、当院にご相談ください。

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この記事を書いた人

鵜山泰平

大阪府吹田市の、うやま鍼灸治療院院長。鍼灸整骨院・整形外科にて鍼灸師として従事し、2022年うやま鍼灸治療院を開業。東洋医学と西洋医学を合わせた施術で多くの患者様のニーズに応えている。

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